南京大虐殺と東京大空襲の関係

私は、一昨日、TBSのドラマ「3月10日東京大空襲」のテーマについてこう書いた

石川光陽氏の写真が10万人が無残に焼け死んだことの「証拠」であり、あれがなかったら東京大空襲も、一部の人からその存在を否定されていたかもしれない

http://d.hatena.ne.jp/yamakiichi/20080311
しかし、他人にはなかなか納得してもらえないと思っていました。そこでこう書けば少し分りやすいのではないでしょうか。

一国の首都で、少なくとも数万人が死んだ大惨事も、
写真や細かい資料がなければ、
いわゆる「証拠」がなければ、
外国人から否定される事があるのを、
ある国の人は既に経験している。

即ち、1937年12月に中国の当時の首都南京で起きた、南京大虐殺です。これを否定する人は1枚の写真もないではないか、大量の死者の公的記録がないではないかと否定する訳です。そして体験者の証言はまるで無視する。更に1938年の東宝の記録映画「南京」をひきあいにだして、死体などないと言ったりする。

同じことが、東京大空襲に対しアメリカからおきたら日本人はどう思うのだろうか?例えば学童疎開などで人口は減っていたはずだ、人口減の要因は長期的な食料事情の悪さであり空襲で死んだのではない、防空壕はある程度機能したはずだ、死んだとしてもそんなひどい死に方ではない、等々。更に残っているニュース映像を引き合いに出すかもしれない。

1945年3月22日に公開された、日本映画社の日本ニュース第248号では、天皇陛下東京大空襲跡を視察するニュースが流れますが、そこに写っている焼け跡には死体は一つもない。更に工場は無事だとナレーションが入り、生産を開始したから従業員は集まるようにというビラが壁に貼ってある様子が写されるのです。従ってこの映像には東京大空襲のあの大惨事は写っていないのです。


それをもって東京大空襲はなかったと否定されるとしたら・・・

そんな事は考えたたくもありませんね。

まったく戦争は本当に嫌なものです。