戦争映画

http://www.spacelan.ne.jp/~daiman/hon/dvd03.htm
http://sea.advenbbs.net/bbs/sakon.htm

◇映画を知るという事
>出撃前にダンスパーティもやっているし、余裕なのか国民性の違いなのか
答え:映画の演出だから。
メンフィスベル」という映画は青春映画として売って公開当時大ヒットしました。しかし少しでも戦争に知識のある人ならこの映画は、どうしようもなく嘘つきなのは自明でしょう。


最大の嘘つきは、映画中で爆撃機上の彼らがドイツの市街地に爆弾を落とさぬよう努力することでしょう。敵の民間人と市街地の破壊を行う戦略爆撃は、現在まで人類が犯してきた最も残酷な戦争犯罪です。その進化したものが市民も兵士も嫌応なく全て殺す原爆です。


こうした書き方をすると勝手な意見と思うかもしれません。しかし戦略爆撃とは何であったかの研究は最近急速に進み、多くの事がわかっている。例えば
空爆の歴史:終わらない大量虐殺」荒井信一著 岩波書店, 2008.8
http://www.iwanami.co.jp/hensyu/sin/sin_kkn/kkn0808/sin_k427.html


もう一つ映画的に言えばこの映画は、親父の残した戦争の真実を描いた題材を娘が金儲けのために使ったという点でも嘘つきですね。即ち「メンフィスベル」なる映画は親父ウィリアム・ワイラーにより1944年にドキュメンタリーとして制作されており、
http://us.imdb.com/title/tt0036152/
この1990年の「メンフィスベル」は娘がそれをもじって作ったという経緯がある。しかしその内容はまるで違う。1944年の「メンフィスベル」は日本でもDVDが出ていたと思います。もし戦争映画に関心があるというなら、そういう知識を持った上で見るべきではないのか?
少なくともこんな金儲けのための映画だけを何回も見てイイなどと言っても、それこそ敗戦国の平和ボケの若者が自分を欺くための嘘でしかないでしょう。


◇日本の戦争映画の意味
>私は間違っていないと思っている。見解の相違です。
違いますね、歴史的事実を知っているか否かの問題です。


この影丸という人は「映画は娯楽だ、勉強じゃない」と言い訳をいいながら、実は「映画は事実なんだ」と自分の思い込みを自白している訳です。


もし戦争映画が本当に娯楽に過ぎないのなら、日本軍が敵軍となっている中国の戦争映画も大変楽しい娯楽であることを理解できるはずです。この影丸という人はそれをプロパガンダだという、つまり最初から他国の戦争映画は、日本を捏造により批判していると勝手に想像して、日本をけなすものは駄目だと想像している訳です。


その結果が田母神の妄言支持ですね。この人がもし戦争映画を純粋に娯楽として見ているなら、田母神のことなんて関係ないでしょう。だって映画(スクリーンの中の楽しみのための作り事)と田母神(日本の現実)はなんの関係もないはずなんですから。


ではどうしてこの方は田母神を支持してしまったのか?それはやはり戦争映画がもたらす教育効果でしょう。確かにアメリカの戦争映画は楽しいでしょう、しかしこう他人に指摘されれば、同時にそれが教育や宣伝の役割を果たしていることを、自覚したのではありませんか?


もう1点、この方が大変幼稚なのは日本の戦争映画を見ていない事ですね。日本の戦争映画は色々ありますが大勢としては、自国を賛美していません。そういう意味で日本の戦争映画は世界的にみて大変珍しい存在だと言えるでしょう。この方が中国の戦争映画が日本軍が敵役だからプロパガンダというなら、日本の戦争映画もプロパガンダという事になるでしょう。


そんなはずがありません。ではそれは何か? 「それが事実だから」ですよ。



◇田母神は間違っている
>田母神氏の「日本は侵略国家ではない」というのは基本的には間違っていない
>自国が侵略などしたことがないと明言できる国がどれだけあるでしょうか?
通りがかりで申し訳ないが明らかにこの影丸という人は間違っていますね。
この人は戦争映画のかっこいい戦闘シーンだけを見て勝手な思い込みをしているのでしょう。もしこの人が各国はみんな侵略ばかりしているだから、戦争とはそういうものだ、だから侵略か否かは問題にしなくていいのだと言いたいなら、中国の戦争映画を見ることをお勧めしますよ。
 そこでは侵略ということがもたらす市民の苦しみとそれへの彼らの怒りを感じるはずです。戦争というのは戦闘ではない、武力を持った軍隊がある地域を支配し勝手にする事それによってもたらされる全ての事が戦争なのです。


この方がなぜ間違ったかは簡単です、かっこいいアメリカの戦争映画ばかり見ているからです。そこでは戦争のもたらす悲しい場面はない、なにせアメリカ映画は嘘つきなので常に勝利場面しか戦争映画の題材にしていないからです。アメリカの戦争映画が嘘つきなのは歴史と映画を対比させばわかります、映画だけを見ていたらわからない。


またアメリカの戦争映画ばかりを見るという事はプロパガンダを自らに施しているとも言えるでしょう。


またこうも言える。この方は戦争映画のDVDのコレクションを誇っているようだが残念だがそれはあまりに偏っている、コレクションが少なすぎるという事ですね。コンバットから遠すぎた橋までの期間の娯楽的なアメリカの戦争映画しか見ていない。しかし戦争はそれ以前もまた各国で行われた、例えば日本の戦争映画はどうなのか?そんな事を少しでも考えれば間違っても田母神が正しいなどとは書かないでしょう。